TAROT DE MARSEILLE

タロット占い師になるには

タロット占い師になりたい人は意外にも多いのかもしれません。

この時代も関係しているのでしょう。家に居ながらネットやSNSで集客でき、自分一人で仕事をしている人も増えていそうです。

ですが、それでタロット占い師になろうとするのなら、やめておくことをおすすめします。

タロット占い師は「まともにやるなら」、生活をしていけるほどは稼げません。

きっと多くの人は、人から相談が来てそれに対してタロット占いをする、その数を増やせばちゃんとした収入になるとイメージされるようですが、

よくよく占い師業だけで稼いでいる人を観察すると、メニューはタロット占いだけではないことが分かると思います。

他にもヒーリングメニューがあったり、タロット占いの講師をしていたりします。

すごく昔、それだからこそ、本当に実力のある人はタロット占いだけで稼いでるからそこを見極めるといいよと言っている人もいましたが、それも違います。

タロット占いだけで満足するほど稼げているなら、タロット占いに対する真面目さはさておき、世の中の欲を理解した集客や営業のセンスのある人も多いのではないでしょうか。

才能の面でいうと、タロットの知識があることは基本中の基本となりますが、結構これがやってみて「難しい」と言う方も多いようです。

中にはやはり自分の運命でタロット占い師になる人もいて、そういう人はそこまでの苦労をせず、カードの意味を理解できたり、インスピレーションを得られたり、覚えることが苦ではないのかもしれません。

ですが、ただ一人で仕事がしたい、稼ぎたい一心でタロット占い師を選んだような場合には、きっとどこかしらで「思っているのとは違った」と思わざるを得ないでしょう。

それくらい全78枚のカードの正逆を理解し、質問されたことを鑑みてカードからインスピレーションを得るのはセンスと教養が問われます。

これまた昔、恩師が何度も言っていたことが印象的でしたが、覚える側が自分の都合良くカードを解釈して覚えてしまい、教えた通りには覚えてくれないと。。そんなこともあるのです。それはそうですよね、色んな人がいますから。

このなくてはならない基盤がなかなか大変なものでありながら、さらにもっと努力しなければいけないことがあります。

それが自分の人間力、精神力を磨くこと。

タロットで人の相談を受けることは自分の何かしらを犠牲にすることでもあると私は感じています。

その例をあげるのなら先述もしましたが、「稼げなくてもいい」ということ。そして自分に対するイメージを良くしたい思いは捨てなければいけません。それは「嫌われてもいい」「当たらないと言われてもいい」と思えることなどです。

タロットリーディングはみなさんが期待するほど万能なものではありません。

当たり前のことなんですが良いことばかり言わないですし、知りたいことを教えてもらえないこともあります。自立している人ほど”占い”を嫌ってもいなければ、魅力的にも見えていないと思います。

ではどんな人が顧客なのか。
タロットや占い好きな人が色々な占い師を巡っているような印象で、多くの人は自分にとって都合のいいことを言ってくれる人を求めていたりします。

その期待が見えても屈せず、タロットに出ているまま「相手にとって都合が悪いんだろうな…」ということもお伝えするなら、リピートされませんし、「こんなもんか」と思われて終わることも多いです。

ですがその通り、そんなものなのです。

人生は何がなんでも自分で生き抜かなくては意味がありません。その中で限られた微々たるサポートしかできません。

そうであるのに、高い料金設定をして実力者のように名乗っては価値があるように見せかけ、それをしないと損してるかのように不安を仰いで稼いでいる。であれば他人の道しるべになるどころか、占い師としての道が逸れていますでしょう?

ですから必ず人間性は上げていかなければいけません。

微々たるサポートと言うのは、人生を真の意味で豊かにしていくことに導くのなら、今その時、どうにかなるものではないからです。

長い目で見て相談者が成長しなければいけない。そのための心の持ちようや進むべき方向性を促すのがタロットであり、方向性を促すと言っても、「絶対あっちですよ」とはほぼ言えません。

やはり本人が気付いて決断しなければいけないことが多く、お顔を少し進むべき方向へ向けてあげるくらいの微々たる導きなんです。

今どうにかしなければならない苦しみを楽にしてあげることが目的なのではなくて、受けて立つところに留まっていただかなければならないこともあります。これにはタロット占い師として「嫌われても仕方がない」と思える勇気が必要になります。

「何も解決してもらえなかった」と思われることもありますし、継続的に安定して稼ぐこともできないのです。

「当たらないと言われてもいい」というのは、占いというもの自体が「当たってる」とか「当たっていない」という価値基準で、多くの人に馴染んでいるからです。

ですから占い初心者さんは「当たってなかった」と評価されることが怖いのではないでしょうか。そう言われないようにする恐怖心から鑑定結果をまとめていれば、そこから方向性がズレています。

「当たる」とか「当たらない」とかは占いのお遊び的側面で、お金を頂くのだったら大切なことは当てにいくことではなく「その人にとっての正しい道に導くこと」。

日常は何千何万もの事象が絡み合ってできています。自分の選択次第でとりあえずはどうにでもなる空間で、その一部を当てたからって何の役に立つでしょう。

結果がどうこうではなくて、今どのようにすべきか、どう捉えるべきかのアドバイスをタロットカードから得るに過ぎません。

分かるまで自分で自分と向き合うことができれば、タロットに聞かなくてもいいこと。

カードに聞いても自分と向き合うことは避けられません。

このことを伝えずに「タロットに聞けば一発ですよ」と宣伝してお金を得るのなら、誰の為の何の為のタロット占い師か、もうお分かりかと思います。

このようなことから、真っ当なタロット占い師になるには、基本のセンス以外に少なからず、「稼げなくてもいい環境が与えられていること」「自分自身を磨く覚悟をもてていること」「その場の印象で取り繕うのではなく相手の真の豊かさにフォーカスできること」が求められています。

スピリチュアル系のお仕事全般にも言えることかと思いますが、気軽さ、手軽さのイメージから、稼ぎたい一心で自分を見失いませんように、このブログがお役に立てば嬉しいです。

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