みなさんは「矛盾」についてどうお考えでしょうか。
もしかしたら「矛盾はいけないこと」だと捉えている方も多いのかもしれません。
学校生活では長らく団体行動を強いられますし、社会に出ても矛盾した言動が多ければ混乱を招くのも事実です。
タロットでも矛盾していることがあったりします。
そのおかげで私は矛盾について考え、「矛盾もありなんだ」と思うに至りましたので、そのことをお話ししてみたいと思います。
タロットでは、「生死」や「合否」については占えないとしている人も多いです。
私もそうしていますが、それがなぜかという理由のひとつにも矛盾が起こる可能性が考えられます。
例えば「合否」を占うとする場合、思わしくない結果であると「聞かなきゃよかった」と言う方がきっといらっしゃいます。
聞きたいことであったのに、聞かなきゃよかった言うのは矛盾ですが、でもこれをよくないことと言えるのか?と考えたとき、そうは思えませんでした。
まだ試験前なのであれば、「もっと努力します!」と言えますが、ただ待つだけの状況なら「聞かなきゃ良かった」と思わざるを得ないでしょう。
人の感情は常に揺らいでいます。
さっきはこうでも今はこう、というのは案外普通のこと。
人が中心となって作り上げている世界が矛盾で溢れていようとも、それは当たり前と言えば当たり前なのかもしれません。
そう考えると、○○しなければよかった…と思う気持ちがとてもよく分かってきます。
ですが「矛盾もあり」とはいえ、「占わなきゃよかった」と言ってしまうほどに受け入れがたい可能性が高いかもしれないことにお金をいただくのも(依頼を受けるのも)なんだか違うのだと思います。
お互いに意図せず起こってしまうことは仕方ありませんが、その時のご依頼者さんのためにならなければ占う必要を感じません。
…これはひとつの視点に過ぎませんが、そのようなルールとして、今日の”これについては占うことはできない”というテーマが出来上がっているのだと思います。
また、普通に占っていても矛盾は起こります。
例えばタロットにアドバイスを求めたとき、さっきはこう言っていたのに、次はこう言われている…ということがあります。
それが全く相反する場合もあれば、それってつじつまがあうのだろうか?という微妙なズレを感じる場合もあります。
ですが世の中すべてつじつまが合うとは限りません。
関連がないようで、言うとおりにしてみたら、なぜかうまくいったということも起こりえます。
そんな奇跡をも包括しているのがタロット占いなのだとしたら、理性だけで整理できる情報に捉われてはもったいないのかもしれません。
ですのでタロット占いをするのだとしたら、矛盾をも受け取る覚悟があったほうが身になるような気がしています。
もし、これは矛盾しているなと感じたら、その方法はひとつに限らないんだなと受け取ってみてください。
明らかに分かりやすく、「結局どっち?!」と言いたいことも出てきたりします。ですがそれもどっちもありだということです。
私たちはどちらかに決められないことを、「どっちかにしなきゃ」と思っていることで抵抗が発生しています。
そんなちっちゃな決めつけでも、大きい葛藤が起きていたりします。その奥に思い込みがあることもあるでしょう。
心から「どっちもありなんだ」と思えているときには、意外にすんなりとどちらかを選んでいたりします。抵抗がないので心の声のままに選べるんです。
それもあり、これもありと心が解放されるのは、本来のしかるべき選択ができる状態といえます。
つまり矛盾していることはいけないことでもなく、間違っていることでもなく、ときに必要な導きとなっています。
タロットは一発で答えを教えてくれるものでもありません。
誰に聞かなくても自分で「分かる状態」に導いてくれているときもあります。
いずれにせよ、リーディングする側も受け取る側も、矛盾についてそんな風に受け入れられると、タロットメッセージがスッと届きやすくなるのは間違いないかと思います。
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