TAROT DE MARSEILLE

恋人達のカードはツインレイとかではない

気になっている人、大好きな人、お付き合いしてて結婚を考えている人とのことをタロットで占って、「恋人達」のカードが出たら、「きっと運命の人なんだ!」と思うと思います。

最近では「ツインレイ鑑定」というのが流行っているようで、タロット占い師が「ツインレイ鑑定できます」と言っていたりするとか。

ツインレイというのは、元々魂が一緒だった片割れのことで、今世出会えるとロマンチックだという感じに知れ渡っており、わざわざツインレイと出会うためのセッションなんかも人気らしいのです。

ですがそれらは、ツインレイに誤った憧れを抱いたり、偽の情報が散漫しているということで、ツインレイの正しい情報をまとめているのが、”霊能者エマさん”という方。

「ツインレイ」というものの真実を「アメブロ」や「X」で発信されていますので、ご興味のある方はエマさんの情報も吟味されてみるとよいかと思います。

先週エマさんはこのようなポストをされました。

私はタロットの視点から、カードリーディングで正しいツインレイ鑑定は不可能だと分かってもらうようなことを書くしかできませんので、ご興味のある方はご参考ください。

世間ではタロット占い師に「恋人達が出てますよ、運命ですよ」と言われると嬉しくて、「恋人達が出るのすごいんだ」と思いながら、恋人達のカードについて調べる方も多いように思います。

自分でもカードの意味を調べようとするのはとても素敵なことですが、残念ながら出てくる情報は表面的で、読む人によって都合のいい解釈をしかねません。

タロットカードは占いのために作られたものではないです。

私の扱うマルセイユタロットは、現存するタロットカードとして2番目に歴史の長いもので、元々はゲームに使われていたと言われています。

今一番扱われているウェイトタロットは、マルセイユタロットの4~5世紀後に出たもので、こちらは占いのために当時存在した西洋魔術結社の黄金の夜明け団の解釈に基づいて作られたものだそうです。

色々ありますが、元はゲーム用。それにあらゆる解釈や知恵が見出されていったのがタロットなんです。

恋人達のカードは、ウェイト版には男女一人ずつで描かれていますが、マルセイユ版では女性が二人と男性が一人の三人構成で描かれています。

これは片方が「快楽での恋愛関係」、片方が「真の愛」を示してるとされ、なんとも人間の欲望(自我)と愛(大我)を描いている分かりやすさがあります。

独身の方の恋愛についてこのカードが出たら、カードの名のとおり、「恋人になりそう」とか「素敵な人が現れそう」と読みます。

なので運命の人とも言えますが、運命とは様々な経験をする巡り合わせですので、付き合ったのちにお別れする運命でもあるかもしれません。

その道を通らなければ自分のひとつの使命が果たされないことがあるんです。

この人と付き合ったら苦労するということがあとに待っていたとしても、それを知りその道を避けては意味がないので、「付き合いましょう」「結婚しましょう」と示されたりもするということ。

ではもし、不倫関係で恋人達が出た場合、このカードが示すことは「愛」と「答え」…つまり決着をつけましょう、です。

片方の女性が表している「快楽の恋愛関係」であることに、自らの愛をもって気付かなければいけないタイミングともいえるでしょう。

タロットカードは全78枚プラスして正逆がありますので、今すぐやめなさい、離れなさいという示しもあります。なのにそれらが出てこないのは、本人が本人の意思で決め行動に移さなければその経験を乗り越えたことにはならないからです。

そんな可能性があるにも関わらず、恋人達のカードが出ることで、「これが出るってことはこの先も不倫のままでもいいんじゃない、運命なんだから」と後押しする占い師もいるのかもしれません。

そう言い放つならその人に教養がないだけ。タロットリーディングはタロットだけに詳しくても成り立たないということです。

もし、タロットリーダーを目指している方がここを読んでくださっているなら、自身の人間力も上げなくては、相手の真の道しるべとなるリーディングはできないということを忘れませんように。

私も日々自分の精神性は上げるよう努めています。(タロットの勉強よりも。)

恋人達は地に足つけるためのとても現実的なカードです。

さらに、私は逆位置もとっているので、恋人達のカードが逆さまになって出てきたら、大体が保留状態であることを示しています。

片想いでも両想いでも不倫や浮気関係でも、相手(もしくは自分)は現状維持が目的で本命とは思っていない、ということを知っていいという解釈になり、伝え方は人により工夫することもありますが、やはりそうお伝えするにならざるを得ません。

こうなると相談者さんに対して不都合だということを知っていて、逆位置をとらない占い師さんもいるでしょう。

もちろん逆位置をとらない理由はそれ以外にもあるかと思いますが、私としてはこの地上で地に足つけて生きる術を学ぶには、厳しいことも示してくれる逆位置は省けないだろうと考えています。

世の中では「人生を好転させる」と簡単に使われていますが、覚悟を決めていくこと、耐えていくこと、乗り越えていく体験というのは本当に欠かすことができない通過点として皆に用意されてきているものです。

それらから逃げ回っていては、目の前の快楽だけで自分をごまかし続け、本当の好転を目の当たりにすることはありません。

逃げずに向き合い成長した先には明るい未来があるということは私自身も身をもって体感しているので、どの段階の人も諦めないでほしいという願いを込めながら、真っ当なタロットリーディングをするようにしています。

そういうわけで、タロットでツインレイかどうかの判断をするというのは、そもそも路線がズレていて無謀なことです。

タロットは占者の人間性と相まって、方向性を促すまでが相談者にとっても最善の扱い方となるのではないでしょうか。


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