タロットカードの意味には「大体こんな感じ」というのがあります。
占うこと(質問したこと)によって解釈を広げていくのがタロットリーディングですが、カードの意味やニュアンスが頭に入っていることで、インスピレーションを得やすいです。
カードの意味を知るには、経験者に教えてもらう以外、本で学ぶのがメインになりますが、マルセイユ版の本はウェイト版に比べかなり出版数が少ない印象。
そのためマルセイユ版にこだわらずに参考にしてきた本もありますので、まとめました。
また、解説本はかなり相性があるように感じているため、可能なら本屋さんで実際に手に取り、惹かれるか惹かれないかで選ぶようにしたいところです。
目次
- カード付属の小冊子について
【はじめに】
はじめに
カード付属の小冊子について
カードの意味:全カード(正位置のみ)
特徴:単語のみであることが多く、簡易的。
※ものによっては逆位置の意味が載っていることもある
タロットカードを購入すると大抵の場合、その中に小冊子が入っています。
そこには全カードの基本的な意味合いが書かれていますが、ほぼ単語でとても簡略的です。
「日本語解説書付き」と書かれているものもありますし、そうではないものはいくつかの外国語仕様になっているので、上手に翻訳できたら意味を知ることはできます。
ただし初めてタロットに触れる方が、小冊子に書かれていることからリーディングに繋げていくのは、なかなか難しそうです。
ゴールデンタロット |
スパニッシュタロット |
このスパニッシュタロット付属の日本語解説書は、占い方や逆位置の一覧も設けてあります。ニチユーさんという老舗タロット輸入会社が、本来付属されてるだろう英語版に代わって、オリジナルに作成したものを入れてくれています。
タロットカード一枚の意味やニュアンスは一言では完結しえませんが、小冊子にしては丁寧だと思いますので、ひとつの参考として役立つかもしれません。
スパニッシュ タロット エスパニョール 日本語小冊子付(ニチユー)/amazon.co.jp
本紹介
1.リーディング・ザ・タロット 大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー
リーディング・ザ・タロット
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著者:伊泉龍一・ジューン澁澤
出版社:駒草出版
発売日:2009/1/24
カードの意味:大アルカナ22枚(正位置のみ)
特徴:リーディングの基盤、基礎に必要な力がつく
大アルカナのみですが、マルセイユ版のカードに着目してリーディングのやり方を丁寧に教えてくれている本です。
カードリーディングで大切なことのひとつに、平面を立体にする作業があり、見る視点によって解釈が広がっていくことがありますが、この本の中ではそれを「パースペクティブ」と呼んでいると私は認識しています。
大アルカナのカード一枚一枚に、そんな世界観(パースペクティブ)を見せてくれているんです。
物語のようで読んでいるだけでも引き込まれ、教養深い本の印象。
大アルカナのみで残念ですが、(とはいえこのボリュームを小アルカナまでやるのは大変そう…汗)22枚のカードのパースペクティブを学んでいくと、小アルカナの見方もグレードアップしたような感覚を味わうことができます。(それが狙いなのです…たぶん…)
読む前と後では、これまで気付かなかった視野の広がりに驚くことでしょう!
また、マルセイユタロットの歴史についても触れられていますので、マルセイユ版に興味がある方には間違いなくオススメの本となっています。
2.マルセイユ版タロットのABC
マルセイユ版タロットのABC
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著者:Colette Silvestre‐Ha´eberl´e
訳者:星 みわーる
監修:幸月 シモン
出版社:郁朋社
発売日:2010/8/1
カードの意味:全カード(正位置のみ)
特徴:全78枚のカードのあらゆる側面の意味やニュアンスを掴むことができる
現在は中古でのみ出回っているものですが、地域によっては図書館で蔵書されていることもあるようです。
マルセイユ版の解説本は海外ではたくさんあるようですが、その中から著者の方がこれを選び訳してくれた貴重な情報のひとつとなっています。
私が今まで手にした本の中では相性が良く、自分が採用しているニュアンスにも近かったので、スラスラと読むことができました。
こちらは小アルカナのカードも合わせて、すべてのカードに丁寧な説明がなされていますが、逆位置のことは書かれていません。
歴史についてはさておき、今すぐ実践に活かせるカードの意味とスプレッド例を求めている場合には、さほど気負いせず扱えるのではないかと思います。
また、小アルカナの数札の意味にはその特徴に、どの大アルカナとコンビで出た場合にどんな意味を成すかの、コンビネーションリーディングの参考になることも載っています。
新書で入手できないことが残念。。
3.マルセイユ・タロット教室 タロット・マスターを目指して
マルセイユ・タロット教室 タロット・マスターを目指して
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著者:井上教子
出版社:国書刊行会
発売日:2022/1/24
カードの意味:全カード(逆位置あり)
特徴:本を読みながら、著者の方のマルセイユタロット教室に通っているかのような充実した内容
こちらの本は1枚の大アルカナに数ページ使い、しっかりとしたリーディングに繋がるような丁寧な説明がなされています。
逆位置についても触れられていること、またマルセイユタロットには、例えば、C・マドニエ版やP・バーデル版など、絵柄のタッチが異なるものがありますが、あらゆる種類のカードを見れるのも特徴。
小アルカナやリーディング例についてもしっかりと触れられています。練習できるようなワーク付きなので本のタイトル通り、まさに教室で学べているかのよう。
自分のやり方にしっくりきていなかったり、初心者の方の一冊目に良さそうだと感じました。
4.タロット占術大全
タロット占術大全
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著者:伊泉龍一
出版社:説話社
発売日:2007/4/1
カードの意味:全カード(正位置のみ)
特徴:「マルセイユ版の」という書き方はされていないが、たくさんの情報がまとめられているので、タロット占い全体を学べる
マルセイユ版に限定された本ではありませんが、タロット占いにまつわる全般の情報が盛りだくさんの参考書のようなボリュームになっています。
もともとタロットカードはゲームに使われていたもので、占いのために「こう」という意味は定められていなかったと言われています。
マルセイユ版とウェイト版…どちらも有名ですが、それぞれに絶対の意味があるわけではないので、学びと実践で理解を深めていくようなタロット占いの場合、「マルセイユ版の」とこだわらなくてもよい方もきっといらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの本ではウェイト版カードを用いて、カードの絵や意味について詳しく解説されている他、肝心の「タロット占い」の理解を深められることがたくさん載っています。
カードの絵柄は好きなものを使い、意味ややり方は自分オリジナルに…ができたらベストだと思いますが、それには色々と知っていく必要もある…となると、タロット占術大全は大いに役立ちます。
5.タロット大全
タロット大全
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著者:伊泉龍一
出版社:紀伊國屋書店
発売日:2004/8/1
「4」でご紹介したタロット占術大全と同じ著者の方が書かれている分厚い本です。
タロット占術大全は「占う」についての内容がメインになっていますが、こちらのタロット大全は「タロットそのもの」についての情報が盛りだくさんになっています。
タロット占術大全よりも二倍の分厚さで、文字のサイズも小さくなりますので、かなりの情報がまとめられていることになります。。
マルセイユ版タロットに興味を持ったところで、どこに興味がそそられるのかはきっと人それぞれ。
私のようにリーディングが好き!という方には、こちらのタロット大全を急いで得る必要はなさそうでうですが、タロットの歴史、その経緯についてが好きな方にはこれ以上に有難き本はないかもしれません。
著者の方があらゆる海外出版の本を参考にするなどして、さらに個人の見解を交えながら丁寧に説明してくれていますので、タロットについて歴史が知りたい!学びたい!という方にはオススメだと思います。
おわりに
書いてあるカードの意味や解釈は本によって様々です。
大アルカナだと「だいたい似ている」意味合いも多いですが、マルセイユ版の小アルカナに至っては似ているのもあるけれど、バラバラな印象さえ受けています。
私自身も、基本の意味と捉えているものは恩師からの口伝ですので、本に載っていることと、私が利用している意味合いとではかみ合わないものもあります。
なので「どれが正解」だとは決めません。
長らくの経験者に学ぶことも、本に載っていることも、これまでマルセイユタロットに触れてきた人達が残してくれた貴重な感覚。
「こういう捉え方ができたときもあったんだ」と思って学んでいくと、ふとしたときにそのインスピレーションが降りてきて、リーディングがスムーズになることもあります。
学んでいく中で、あっちの本に書いてあったことと、こっちの本に書いてあることと「全然違うじゃん!」というのが出てきても、悩んだり、不審に思わなくても大丈夫。。
そのとき印象に残ったり、気に入った意味合いを自分の中で捉えていけば、カードがそれに合わせて出てくれるようになっている…と私は感じているからです。
そして、たくさんの情報をよしとするからこそ、ふと降りてきた自分の直感リーディングも受け入れらるようになっていきます。
お気に入りの相棒本が見つかりますように。